キオクノキロク展Vol.2

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2023年3月11日から21日までの10日間、大阪のお寺『應典院』でキオクノキロクの2回目の個展を開催させていただきます。

 

前回の個展から約2年半が経ちました。

 

この2年半の間に、いくつかの家じまいを撮影させていただき

 

そして色んな人達との出会いによって

 

撮影以外の角度からも家の最後についてとじ方について考えるようになりました。

 

実家を相続した時に処分をためらうご家族様。

 

できることなら家を残したいと思う感情。

 

その感情は、僕も祖母の家がなくなる時に同じく持っていた記憶があります。

  

今、僕の祖母の家は解体されていて

 

もう2度と見ることはできません。

 

あるのは解体前に撮っておいた少しばかりの室内の写真だけです。

  

もちろんこの写真があるから別に大丈夫なんて全く思いません。

 

でも写真を見ると少し気持ちが落ち着くのも確かです。

 

なぜ落ち着くことができるのだろう。

 

きっと本当に残したかったのは家そのものではなく

 

その家であった事象、記憶、思い出の部分だったんだと思います。

 

それは同時に

 

自分が本当に欲しいものって案外自分自身が分かっていないんだなということを思い知りました。

  

きっと世の中には僕と同じような人がいるとも思っていて

 

キオクノキロクは僕みたいな誰かを癒すことができると信じています。

 

今回の個展の目的の大きな目的のひとつには

  

そんな僕みたいな人に、このキオクノキロクの情報を届けることです。

 

僕に仕事を依頼してくれって話ではなく

 

家の最後を記録するという概念を届けたいんです。

 

撮るのは僕じゃなくてもいいし、むしろ家族が撮るからこそ撮れる写真があるとも思います。

 

家が完成した時に竣工写真を撮る文化があるのだったら、その逆があってもいいと思うんです。

 

家の残しかたの新しい選択肢を提案してるなんて言ったら大層なんですが

 

これから団塊ジュニア世代の人達が相続の場面に直面した時に

 

きっと写真には寄り添うことができる力があると信じています。

  

今回の個展は、写真を展示するだけではなく

 

色んな企画や演出を用意しています。

 

詳しくはまた後日書かせていただこうと思いますが

 

本当に色んな人達に助けていただいてようやくカタチになった写真展です。

 

たくさんの人達に足を運んでいただけたらこんなに嬉しいことはありません。

 

新生活の準備に追われる時期での開催にはなりますが

 

どうぞよろしくお願い致します。